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9. 本格的に打ち込みする - Cubase

MIDI programing

[所要時間の目安:120分]


(1) Groove Agent SEを使う

『3. ちょっと打ち込みしてCubaseの基本的な操作に慣れる』ではHALion Sinic 7のドラム音プリセットを使いましたが、ここではGroove Agent SEを使ってみます。
Cubaseにドラム専用のMIDIエディッターである「ドラムエディター」がありますが、ここではキーエディターを使用することにします。
ここではドラムキットは「LASER BEAMS」に入っている「Ambush Of Tigers」を使ってみます。

  • Groove Agent SE用のインストゥルメントトラックを作成します@ABC
  • トラックを作成するとGroove Agent SEが開きますD
Groove Agent SE用のインストゥルメントトラックを作成


  • Groove Agent SEの画面は@のボタンで開閉できます
  • 空のMIDIパートを作りますA
  • MIDIパートの両端に左右ロケーターを設定Bし、サイクルモードをオンにしますC
MIDIパートを作成


  • @をクリックします
  • 「LASER BEAMS」Aをクリックし、「Ambush Of Tigers」をダブルクリックBします
  • Groove Agent SEに「Ambush Of Tigers」がロードされますC
キットをロード


A. 太鼓を個別に打ち込む

「INSTRUMENT」を選ぶと16個のパッドには様々な太鼓の1打分の割り当てが表示されます。パッドをクリックすると割り当てられた太鼓の音が鳴ります。

  • 「INSTRUMENT」@をクリックします
  • Cubaseをサイクル再生状態Aにします
  • 適当なパッドをクリックBして音を出してみます
  • MIDIパートをクリックしてキーエディターを開きC、パッド右上の音名の位置に鉛筆ツールでMIDIノートを書き込んでみますD
    (録音状態EにしてMIDIキーボードを弾いて入力しても構いません)
  • 録音状態の場合は再生状態に戻してE音を聴いてみます
太鼓を打ち込む


B. プリセットパターンを打ち込む

  • 「PATTERN」@をクリック
  • 適当なパッドを長押ししてA音を出してみます
  • Cubaseをサイクル再生状態Bにします
  • MIDIパートをクリックしてキーエディターを開き、パッド右上の音名の位置に鉛筆ツールでMIDIノートを書き込んでみますC
    (録音状態DにしてMIDIキーボードを弾いて入力しても構いません)
  • 録音状態の場合は再生状態に戻してD音を聴いてみます
パターンを打ち込む


C. プリセットパターンをトラックに貼り付けて編集する

  • 画面が手狭になて来たので下ゾーンを非表示にします@
  • 「PATTERN」Aをクリック
  • 適当なパッドを長押ししてB音を出してみます
  • Cubaseをサイクル再生状態Cにします
  • パッドをドラッグし、Groove Agent SEのトラックの空いているところへドロップDします
  • [P]キーでドラッグしたパートの両端に左右ロケーターを設定してサイクル再生してみます
パターンをドラッグ


  • ドラッグしたパートをダブルクリックすると、再び下ゾーンにキーエディターで開きます@
  • 下ゾーンの右上にある右斜め上向き矢印Aをクリックすると、キーエディターがウインドウに移行できますB
  • 下ゾーンではなく、ウインドウでキーエディターを開いたほうが編集しやすくなります
  • パターンを適当に編集してみますB
  • 編集が終わったらキーエディターは閉じて構いませんがC、Dのボタンで下ゾーンに戻すこともできます
パターンを編集


(2) PadShopを使う

ここではPadShopを使ってみます。
PadShopはパッド系の音色(長く持続する音?)に特化したシンセ音源です。

  • PadShop用のインストゥルメントトラックを作成@ABC
  • トラックを作成するとPadShopが開きますD
PadShop用のインストゥルメントトラックを作成


  • @をクリックするとLoad Presetが開きます
  • 「ALL」Aをクリックして一覧を開きます
  • 「Age Of Solitude」Bをダブルクリックしてロードします
  • 鍵盤部分Cをクリックするか、MIDIキーボードを弾いて音を出してみます
プリセットをロード


再生確認


(3) Retrologueを使う

ここではRetrologueを使ってみます。昔のアナログシンセサイザーを模した音源です。

  • Retrologue用のインストゥルメントトラックを作成@ABC
  • トラックを作成するとRetrologueが開きますD
Retrologue用のインストゥルメントトラックを作成


  • @をクリックするとLoad Presetが開きます
  • 「ALL」Aをクリックして一覧を開きます
  • 「Bearish Bass」Bをダブルクリックしてロードします
  • 鍵盤部分Cをクリックするか、MIDIキーボードを弾いて音を出してみます
プリセットをロード


再生確認


(4) フォルダートラックの使い方

本格的な打ち込みを始めるにあたって、不要なトラックをまとめてるためにフォルダートラックを使ってみます。

  • フォルダートラックを作成します@ABC
フォルダートラックを作成


  • [Ctrl]キーを押しながらトラックをクリック@して複数のトラックを選択状態にします
  • 選択したトラックをフォルダートラックにドラッグしますA
フォルダーに移動


  • フォルダートラックを閉じます@
  • フォルダートラックをミュートすると収容したトラックをまとめてミュートできます
フォルダートラックをミュート


(5) 普段は下ゾーンの使用をやめる

『1.C. プリセットパターンをトラックに貼り付けて編集する』 で下ゾーンを非表示にしましたが、MIDIパートなどをダブルクリックすると再び開いてしまいます。
そこで、これ以降は普段は下ゾーンを非表示に設定し、必要な時だけプロジェクト画面右上のスイッチで表示することにします。

  • 環境設定で「ダブルクリック時にエディターをウインドウで開く」に設定します@ABCD
  • 下ゾーンの表示/非表示E
下ゾーンを使わない


(6) パートの編集(消す、切る、伸ばす、分割する、動かす、コピーする..)

パート編集については下記の記事が参考になると思うので参照してください。

『Cubaseでパート(小節)を作る、消す、切る、伸ばす、分割する、動かす、コピーする、くっつける』


(7) 耳コピをどうすすめるか

もし、効率的なすすめ方があるとすれば、

  • 『元曲との比較試聴をしやすい環境を整える』
  • 『コードは何度も先に全部拾ったほうが良い』
  • 『何度も出てくる繰り返しの部分を先に作って、コピペして必要な箇所を修正する』

といった感じでしょうか。

元曲があり、すでに答えがある既成曲の耳コピの場合は如何に挫折せずにすすめるかが大事だと思います。
場合によっては「その曲の好きな部分を先に作る」場合もあるだろうし、「簡単に聞き取れる楽器のパートを先に全部作る」こともあるかと思います。
いずれにしても地味な作業を長続きさせる工夫が必要だと思います。

下記の記事は毎週日曜日午後8時から放送しているNHK大河ドラマの2020年放送の「麒麟がくる」のオープニングテーマを耳コピで再現してみた過程を記事にしたものです。
参考までに耳コピのひとつの例として紹介しておきます。この曲をご存じの方はそれなりに楽しめると思います。

Cubaseだけで「麒麟がくる」を作る

2020.5.5〜2020.8.30 | Cubase


この企画はDAWソフトウェア Cubase だけを使用して「麒麟がくる」のオープニングテーマを再現し、作成途上の音源を動画で公開するとともに、その時点でのCubaseのプロジェクトファイルを公開するものです....




(8) オリジナル曲の打ち込みをどうすすめるか

耳コピの場合と異なり、以下の要素が作業を進めるうえでの障害になると思います。正解がないわけですから。

  • どんな曲を作るか
  • メロディやコード進行はどうするか
  • 楽器編成、音色はどれを使うか

頭の中ではっきりと音が聞こえている場合は耳コピに近いものがあると思いますが、聴こえる気になっているだけで、実は何にも具体的なものは聴こえてない場合も多いと思います。

これらはCubaseの操作を覚えたからといってできるようになるものではないので、各自がご自分のやり方を見つけるしかないと思います。
ただ、とにかく適当に音を重ねて進めてみる、リズムを適当にならして自分に発想のきっかけを与えてみる、プリセット音色を適当に聴きまくってイメージを膨らます、というようなことが気かけ作りになることもあります。そういう意味ではCubaseの操作慣れていることは武器になると思います。



(9) 打ち込みが終わったことにします

ここまでのところで打ち込みに必要な基本的な操作方法を、簡単ではありますが、ひととおり解説してきました。
本ガイドの今後の展開のために一通りの打ち込みが終わったことにします。ここまでたどり着けたでしょうか...。

打ち込み後のプロジェクト画面