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■QuickTime 3.0J(無償)のソフトMIDI音源(音源データ Roland供与)サウンドクオリティ [1998.7.5 記]

Appleが QuickTime 3.0J のMac版とWindows版の無償配布を開始しました。すでに雑誌付録CD-ROMなどから入手可能になっています。

このQuickTime 3.0(以下 「QT3」と表記)はローランド社が提供するMIDI音源データを使用したソフトMIDI音源(ソフトMIDI、ソフト・シンセサイザー)が付いています。
以下は、QT3添付ドキュメントの抜粋です。


QuickTime 3.0 からの新しい機能
バージョン 3.0 では、コンテンツを作る人と見る人にさまざまな QuickTime 機能を提供します。ここに記述した機能は QuickTime 3.0 の新しい技術のほんの一部です:
◆強力で最新のビジュアル効果と編集機能
◆インターネット・ストリーミングアプリケーションに最適かつ最新のビデオ形式とサウンド形式をサポート
MIDI ミュージックファイルの再生を向上する Roland 社 SOUNDCanvas 音源を提供
◆一般的なマルチメディアファイルを開く機能を強化
◆DV/FireWire デジタル・ビデオストリームのサポート機能
QuickTime 3.0 についての詳しい説明は以下のホームページをご覧ください。
http://quicktime.apple.co.jp/

General MIDI と GS フォーマットのための Roland 音源サウンドについて
QuickTime 3.0 には、Roland 社からライセンスされた音源サウンドが含まれており、General MIDI 音源を完全にサポートします。さらに、GS フォーマットの音源のサポートを完全にするためにさらに多くの音色を提供します。


インターネットを利用して自作の音楽作品を発表している立場の者にとっては、 ファイルサイズの都合からMIDIファイルをメディアの一つとして考えるのが重要ですが、 MIDIファイルだと聴く側のMIDI音源の音質に作品のクオリティが大きく左右されてしまいます。
市販の外部MIDI音源モジュール(ハードウェアMIDI音源)を使用して鑑賞してもらうのが理想ですが、 良質なものだと5万円程度出費は必要となります。 そこで、MIDIファイル制作者にとっては誰もが無料で、 または安価に手に入れることの出来るソフトMIDI音源の音質の程度とその普及率をある程度押さえておくことが重要となります。
もしもこれらのソフト音源の音質が、音楽作品の鑑賞に十分耐えられるクオリティならば、 安心してそれらに特化したMIDIファイルを作成することが出来るわけです。

当方では某雑誌の付録CD-ROMからQT3を入手し、次のDOS/V機とMACにインストールしてMIDI音源部分の音質をチェックしてみました。

マシンCPU/Clock/メモリ/Cashe
Aptiva 755(Mwave搭載) Pentium 120MHz,48M RAM,キャッシュなし
Power Macintosh 8500/150 Power PC 604 150MHz,96M RAM,256KB

QT3をインストールしてみたところ、 MIDI音源機能の詳細なスペック(同時発音数など)やパソコン側に求められるスペック(CPUパワーなど) を説明したドキュメントがありません。 ですから、これらのマシンが要件を満たしているのか否かの判断ができませんでした。

ですから以降の内容はあくまでも当方の聴感に基づくものです。 また音質の程度の判断は、次のMIDI音源の音質を基準にしました。

  • VSC-55 (Roland社製、市販ソフトMIDI音源)
  • VSC-88H (Roland社製、市販ソフトMIDI音源)
  • SC-88VL (Roland社製、ハードウェアMIDI音源モジュール)-これは鑑賞に充分耐えられる音質です-



お詫びと訂正

ここに下記のコンテンツを掲載していましたが、これは当方の誤りであることが判明しました。 QuickTime 3.0はMIDI音源は、楽器音の定位をちゃんと認識します。未確認ですが、プレーヤ側の問題のようです。

下記のコンテンツ以降の”モノラル”に関する記述をすべて削除しました。 誤った内容を掲載していた事をお詫びいたします。(1998.11.22)

QuickTime 3.0はMIDI音源としては×

いきなりですが結論です。MAC版,Windows版ともにQuickTime 3.0はMIDI音源としては×です。

GMに準拠したMIDIファイルを使用して音を聴いてみたところ、なんと音声出力がモノラルであることが分かりました。 これは音質を論ずる以前の問題点です。
MIDIでは各楽器音ごとにパンポット(左右位置)を設定することが可能ですが、それはすべてムダな努力となり、 すべての楽器が真ん中で鳴ることになります。

もしかしたら設定によってステレオ再生が可能になるかもしれませんが、それに関する説明はドキュメント上にはありませんでした。



MAC版とWindows版の聴感上の違い

すべての音色を聴いたわけではありませんが、楽器音自体はMAC版とWindows版の違いは特に感じられませんでした。
ただし、MAC版はリバーブ(残響、俗言いうエコー)がかかるのに対して、 Windows版はエフェクトがかかりません。
カラオケと同じでエコーがかかっているMac版のほうがそれなりにきれいに聞こえます。

もしかしたらCPUパワーなどによって、エフェクトのかかるかからないが自動的に制御されるようになっているのかもしれませんが、 それに関する説明はドキュメント上にはありません。



Windows版はMIDIファイルを鳴らすのが面倒

下の図は、QT3をインストールした後にコントロールパネル>マルチメディア>MIDIとたどって、 MIDIドライバーの状態をみたところですが、QT3のMIDI音源はありません。

つまり、メディアプレーヤやMIDIシーケンス・ソフトからQT3のMIDI音源を鳴らすことはできないようです。 QTに対応したアプリケーションでなければQT3のMIDI音源を使えないようです。

では、特別なアプリケーションをインストールしていない状態でMIDIファイルをQT3で鳴らす方法ですが、 Program fileのQuickTimeフォルダーにある Movie PlayerでMIDIファイルを読み込むことができます。

ただし、Movie PlayerはMIDIファイルを読み込むと一度ファイルフォーマット変換が行われ、 変換後にQT3のMIDI音源を使用して演奏することになるので面倒です。

一方Macの場合は、同じMovie Playerを使用する場合は同様に変換のプロセスが必要なものの、 QuickTimeはあたりまえのせいか、シーケンスソフトの設定でMIDIポートとしてQuickTimeを選択できるものがあり、 その場合は簡単にQT3のMIDI音源を鳴らすことができます。



QuickTime 3.0 vs Roland VSC-88H -Macの場合-

VSC-88Hとは比較になりません。 当方のMACのCPUパワーではVSC-88Hを最高音質で鳴らすのはつらいので、中間的な音質の設定(22KHz)で試していまが、 それでもVSC-88Hの方が圧倒的に高音質です。

まあ、VSCのほうはあくまでも市販品で、無料ではありませんが....。 もちろん、ハードウェア音源とは比べるべくもありません。



QuickTime 3.0 vs Roland VSC-55 -Windowsの場合-

VSC-55と甲乙つけがたい、 といったところではないでしょうか。音源自体のクオリティはもしかしたらQT3のほうが若干上かもしれません。
でも、実際にVSC-55から出てくるリバーブのかかった音は、やはりQT3の上をいくのではではないでしょうか。
とするともちろんVSC-88Hの方がQT3よりも圧倒的に高音質です。



最後に

QuickTimeには、再生するのはMIDIファイルだけではないので、 なるべくCPUに負荷をかけないようにあえてソフトMIDI音源に割り振るパワーを制限したい、 というような事情があるのかもしれません。

でも、QuickTime 3.0のMIDI音源機能に期待を寄せている人は確かに存在します。 そういう人にとっては旧QuickTimeより音質が向上したかどうかはさほど重要ではなく、 向上した結果が使えるものか否かが重要です。
結果的にはローランド社のソフトMIDI音源の最新版であるVSC-88Hが、 MIDI音源にお金をかけられない人にとっては、 現在もっともコストパフォーマンスの高いMIDI音源ということになるんでしょうかね.....。

MIDIデータ制作者の立場としては、あくまでもSC-88級のハード音源をリファレンス機にして、 ソフト音源のクオリティがハードに追いつくのを待つ、ってのが最善のスタンスではないでしょうか。
もう結構いいところまで来てると思うのは、当方だけではないと思います。





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