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  私は楽器は弾けないし、楽譜も読めないけど...........   


イントロダクション
「私は楽器は弾けないし、楽譜も読めないけど、必要なものを揃えながら、既成曲のMIDIを作成(※1)し、それをさらにMP3にしたい !!」 これは一見ムリがありそうな行為に思いますが、決して不可能ではありません。
実はなにを隠そう、筆者はギターはチョッピリ弾けますが、ほとんどこのケースに近いのです。 そして、これを実現する手順を説明することが、当サイトを訪れる多くの方に対する回答になると思います。

なお、ここで説明する手順が唯一無二ではない(単なる事例に過ぎない)こと、 最終的に出来上がる音楽作品のクオリティをある程度高いところに置くために 極端に出費を避ける手順は説明しない(コスト削減の余地はある)ことを留意しておいてください。
前提として次の機材および環境のみをすでに持っているものとします。

【すでに持っているもの】

※1「MIDIを作成」するという表現
「MIDIを作成」するという表現は正しくありません。正しくは「スタンダードMIDIファイル(SMF)を作成」です。 しかしながら、最近ではPCユーザーの多くがWindowsでのSMF形式である拡張子midのファイルを"MIDI(ミディ)"と呼ぶので、 このぺージではあえて「MIDIを作成」と表現することにしました。



1. 課題曲
著作権保護期間切れで、短く、だれでも知っている曲を、ということでいろいろ検討しましたが、私たちは日本国民なので課題曲は「君が代」にすることにしました。
実は「君が代」のスタンダードMIDIファイル(以下 SMF)と それを推奨MIDI音源モジュールで鳴らしたものを録音して作成したMP3はもう出来ています。
某テレビで流れた音を参考にして、耳コピで打ち込んだ”君が代”のMIDIファイル(SMF)
(推奨音源:Roland SC-88VL)
推奨音源で鳴らしてMP3にしたもの ※1
SIZE:898KB版(CDクオリティ版)
SIZE:449KB版

(これらのファイルは当サイトのMIDIs Classicに掲載しているファイルと同じものです。)

そんなことで、このページ紹介する内容は上記ファイルの Making of KIMIGAYO 的な内容となります。

※1 掲載したMP3について
このMP3はテレビの音をそのままMP3に変換したものではありません。 「君が代」著作権保護期間を満了していますが、 テレビで放映されたものをそのままMP3にしてインターネットで流すのは違反です。



2. まずは、MIDIファイルを作るための環境を整えましょう
MIDIファイルを作るための環境(もちろん聴くことも出来る環境です)作成には様々な形態があります。 初めての方は「ミュージ朗」などのパッケージを購入するのが無難ですが、長い目で見れば過不足があるため、 ここでは今後の拡張性を考慮して、あえて面倒な形態を想定することにします。
青で示したのがここで用意する機材とソフトウェアです。 このページの説明で実際に使用する機材名を【 】で示しました。 青で示したものの中には、同じ青で示したものに付属しているものもありますが、 あえて別に示してあります

現在のPCの接続は次のような感じになっていると思います(マウスは省略してあります)。

これに、今回必要となる追加機材を次のように接続します。

@ スピーカーに繋がっていたケーブルをミキサーのインプットに接続します。 ケーブルは次のようなタイプのはずです。 もし、用意するミキサーの入力ジャックがRCAピンであればアダプタは必要ありません。
A ミキサーのマスターアウトとスピーカーをステレオRCAピンケーブルで繋ぎます。 普通、ミキサーのマスターアウトがRCAピンならばアダプタは必要ありません。
B MIDI音源モジュールの音声出力をミキサーのインプットにステレオRCAピンケーブルで接続します。 用意するミキサーの入力ジャックがRCAピンであればアダプタは必要ありません。
C シンセサイザーの音声出力をミキサーのインプットにステレオRCAピンケーブルで接続します。 用意するミキサーの入力ジャックがRCAピンであればアダプタは必要ありません。 なお、普通シンセサイザーはRCAピンジャックを装備していないので、アダプターが必要です。
D シンセサイザーのMIDI OUTをMIDIインタフェースのMIDI IN1に繋ぎます。 もちろんMIDIケーブルを使います。MIDIケーブルは方向性がありません。
E シンセサイザーのMIDI INとMIDIインタフェースのMIDI OUT1をMIDIケーブルで繋ぎます。 MIDIでは1本のケーブルで送受信の両方をまかなうことはできません。入りと出にそれぞれ1本ずつケーブルが必要です。
F MIDI音源モジュールのMIDI INとMIDIインタフェースのMIDI OUT2をMIDIケーブルで繋ぎます。
G MIDIインタフェースに付属しているUSBケーブルでMIDIインタフェースとPCを繋ぎます。
ここではオーディオケーブルをステレオRCAピンケーブルを用いた場合で説明してあります。 標準フォーンプラグのケーブルを用いるよりも、アダプタを付けたピンケーブルを使ったほうが何かと便利だと、筆者は考えます。

次にMIDIインターフェース付属のドライバー(ソフトウェア)とMIDIシーケンスソフトウェアをPCにインストールします。 インストールは製品に詳細なマニュアルが添付されているのでここでは割愛します。

シンセサイザーの設定メニューにローカルキーボードON/OFF(またはキーボードON/OFF)設定があれば、これをOFFにしておきます。 これは、手弾きした演奏情報が直接シンセサイザーの内蔵音源に送られるのを防ぐためです。 これがONのままだと、MIDI OUTから送り出されてPCを経由してMIDI INから返ってくる情報とで二重発音になってまいます。

最後にMIDIシーケンスソフトウェアのMIDI環境設定で、 MIDI INから入ってくる演奏情報を常にMIDI OUTにも流すように設定します("MIDIスルー"、"ソフトスルー"あるいは単に"スルー"などという設定が どこかにあるはずです)。これをスルーに設定しておかないと、手弾きした演奏情報をモニターできません。




3. 次は、耳コピしやすい環境を整えましょう
譜面に頼ることなく、実際の曲を耳だけたよりに注意深く聴きながら音を拾うことを耳コピ(※1) といいいます。
耳コピのポイントは元の曲の録音を何度も繰り返し繰り返し聴くことですが、 ”コツ”というよりも、対象曲を聴くための環境が非常に重要です。

上の2つを満たすにはミキサーが必要となりますが、これはすでに「2.」でシステムに組み込んであります。 ヘッドホンはここでの追加機材となります。
問題は残りのレコーダーに関する部分です。 現在このすべてを満たすのはハードディスクレコーダー(※2)もしくはMD等を使用するMTRしかありません。 このページではあえて、パソコンをもう一台用意し、 ハードディスクレコーディング機能を持つ統合型MIDIシーケンスソフトを使用します。 パソコンは少し前(非G3)のマックを想定し、 ソフトは「2.」で用意したのと同じ【Steinberg Cubase VST/24】のマック版を使用することとします。
この形態をとる理由は、たまたま筆者の環境がそうなっているからにすぎないのですが....。

青で示したのがここで用意する機材とソフトウェアです。 このページの説明で実際に使用する機材名を【 】で示しました。

接続は下の図のような感じになっていると思います(マウスは省略してあります)。

@ MACのLINE OUTをミキサーに立ち上げます。 前提とする8500/150はRCAピンジャックを備えているので、ステレオRCAピンケーブルで繋ぎます。 ミキサーの入力がRCAピンならばアダプタは必要ありません。
A 通常、ミキサーにはヘッドホン端子があります。
ソフトウェアをMACにインストールします。 インストールは製品に詳細なマニュアルが添付されているのでここでは割愛します。
※1 耳コピ
筆者が若い頃は「耳コピ」ではなく「耳コピー」と呼ばれていました。「ー」を付けるか否かでその人のおおよその世代がわかります。
※2 ハードディスク・レコーダー
テープではなく、ハードディスクに直接デジタル録音できるレコーダー。単体ハードウェアのものとPC上で動作するソフトウェアベースのものがあります。



4. それではいよいよ課題曲をハードディスク・レコーディングしましょう

このページでの課題曲「君が代」は某テレビで放送されているものを参考資料として使用するので、 あたりまえですがテレビが必要です。
しかしながら、パソコンでの録音をスタンバイした状態で放送時間を待つのは非現実的です。 失敗したら、へたをするともう一日待たなくてはなりません。 そこで、ここでは次の青で示した機材を機材を用意します。

ここでは青で示した機材の接続図を省略します。 なぜなら、これらの機材はこれまで図示したシステムに常に接続していなくてはならないわけではないからです。
課題曲の録音は次の手順でパソコン(この場合はマック)にハードディスク・レコーディングすることになります。

面倒ですが、このほうが間違いがありません。下の図はハードディスク・レコーディング後のソフトウェア(Steinberg Cubase VST/24 -MAC版-)の状態を示しています。

( Cubase VST/24 4.0 MAC )

「では次に、録音したものをMIDIに変換しましょう」と言いたいところですが、 そんな便利なものはありません。 笛などの単音ソロならばともかく、 複数の楽器が入り交じった演奏をMIDIファイルに変換することはできません。 そこで、ここで録音したものを何度も注意深く繰り返し聴きながら、

ことになります。

そして、もとの録音を繰り返し聴くときに、 下のファイルのように簡単にループ再生ができるハードディスク・レコーダーが便利なのです。

”君が代”部分ループ SIZE:248KB

さて、いよいよDTMの領域です。次の節が一番時間と根気を要する部分です。





5. MIDIファイルを作りましょう(一番地味な部分です)

ここでは、ハードディスクに録音した”君が代”を聴きながらMIDIファイルを作ります。

できあがり(”君が代”のMIDIファイル)
(推奨音源:Roland SC-88VL)

実はすでに出来ているこのMIDIファイルは、どんなMIDI音源モジュールでもそこそこ鳴るように、 ジェネラルMIDI(GM) の範囲で作ってあります。
このページの最終的な目的はMP3を作ることにありますが、MIDIファイル形式で配布する場合のことを考慮して、 GM対応のMIDIファイルを作成する場合の例を”君が代”をサンプルにして解説します。

それではMIDIシーケンス・ソフトを起動します。


[Cubase VST/24 3.7 Windows]


5.1 まずはテンポと拍子を決めます

シーケンスソフト上でMIDI情報を組み立てる(打ち込む)場合、必ずしもテンポや拍子を元曲を同じにする必要はありません。 テープレコーダーに音楽を録音する場合、曲がどのようなテンポであっても常にテープが一定速度で走行すること、 またテープに小節の切れ目が無いのと同じです。
ただし、MIDI情報の場合は必ずといって良いほど編集作業を伴うため、 シーケンスソフトは楽曲のテンポ、拍子と同じ条件で走行するほうがなにかと都合が良いのです。 ですからここでは元曲に合わせることにします。

テンポは1分間に四分音譜がいくつ入るか、で指定します。頭の中で1,2,3,...と数えながら元曲の最初の方を繰り返し聴きましょう。 多分

きい(1)、みい(2)、があ(3)、ああ(4)、よお(5)、おお(6)、わあ(7)、ああ(8)、......

だいたい5くらいだと思います。このようにして、6秒間にいくつまで数えられるかを調べ、その数を10倍したのがおおよそのテンポ、と解釈してよいでしょう(ちょっと乱暴ですが)。 すなわち約50です。
そして、カウントをいくつで折り返すと切れ目がしっくりいくかを何度も数え直してみます。

きい(1)、みい(2)、があ(3)、ああ(4)、よお(1)、おお(2)、わあ(3)、ああ(4)、......

多分、このように4で折り返すのと良さそうだと気づかれるでしょう。x/4のxの部分を折り返しの数にして、4/4拍子あたりで良いかな、 となります(これも乱暴ですが..)。

一般にシーケンスソフトは、デフォルト値がテンポ120(1分間に四分音譜120個)、4/4拍子となります。 後で説明することになりますが、曲のMIDIの場合は多くの場合、曲の先頭に音源制御情報を書き込むことになるので、 あらかじめ頭の数小節を空けておく必要があります。ここでは4小節目から演奏がはじまるようにします。

シーケンスソフトのほとんどが拍子やテンポを制御するためのマスター・トラック(テンポ・トラック)を持っています。 下の図はCubaseのマスタートラック上の4小節目の頭にテンポ50を書き込んだ状態を示しています。 1小節目のテンポ120、4/4拍子は、デフォルト値で最初から設定されているものです(もちろん変更できます)。 私はこれを残しておくようにしています。理由はちゃんとあるのですが、面倒なので割愛します。


[マスタートラック (Cubase VST/24 3.7 Windows)]




5.2 どのパート(楽器)から着手すべきか?

「一番最初にリズム楽器から作るべき」とか「メロディから作るべき」などの意見があるようですが、 セオリーなどありません。お好きなパートから作っていけば良いでしょう。
MIDIファイル作成で最も恐れるべきは”挫折”です。 これを避けるためには、聴き取りにくいパートはあとにまわすべきです。 また、一つのパートを曲の頭から最後まで作るのではなく、 ある程度(数小節分)作ったら別のパートに着手して気分転換するのも良いでしょう。
それと、最初から細かい部分にこだわるのではなく、雑に広く作っていくというのも手です。

いずれにしても、徐々にではあるけれども、確実に完成に近づいていることをみずから実感できるように 作業を進めることが大切です。そうしないと挫折してしまいます。




5.3 鍵盤を弾けない人向けのリアルタイムMIDI情報作成

MIDI情報の作成は、楽器の演奏をテープに録音する場合と変わりません。 シーケンスソフトを録音状態にして鍵盤を弾くと、弾いた通りにMIDI情報が記録されます。 ただし、ここで注意したいのは「記録されるのは音ではなく、演奏情報である」という点です。

MIDI対応のキーボードはある鍵を押したときに「どの鍵をどのくらいの勢いで押した」という情報を、 離したときに「どの鍵をどのくらい素早く離した」という情報をMIDI OUTポートから出力します。 シーケンスソフトはこの情報をリアルタイムに記録することによって、擬似的な録音を実現するわけです。

MIDIの録音には、メトロノームに合わせて実際に鍵盤を演奏することのほかに、演奏情報をマウスで書き込んだり、あるいは 数値で打ち込んだりする方法がありますが、ここでは鍵盤から演奏する方法を紹介します。

演奏するといっても、曲の最初から最後までを通して録音する必要はありません。 下の図は、2小節分を録音しようとしている状態を示しています。 録音開始位置を4小節目、終了位置を5小節目の後ろに設定し、ル−プ状態に設定して、 再生ボタンを押すとシーケンスソフトがスタートします。この状態で録音ボタンを押すと そのまま録音状態になります(Cubaseの場合)。
だれでも、2小節くらいならば弾けるはずです。それがダメなら1小節ループにして、 さらにテンポを落とすことも可能です。
また、オーバーダビングを指定しておけば、ループさせながら次々に重ね録音することも可能です。

(動いている縦棒の形と色は、実物と若干異なります。 Cubase VST/24 )




5.4 MIDI情報(各パートの演奏情報)の作成

では実際に、MIDI情報を作っていきます。作成したいパート(楽器)が決まったら、 その楽器の音色をMIDI音源モジュールの任意のパートに設定します。操作パネルの充実している音源モジュールの場合は、 PC側からではなく、音源モジュールのパネルで設定したほうが手軽です。
ただし、このやりかたでは作成するデータには楽器音セットアップ情報が入っていないことは良く覚えてきましょう。 楽器音セットアップ情報はあとから挿入することにします。

【フルートのトラック作成】
まずフルートです。音源モジュールのパネルでフルートの音色を呼び出しておき、 シーケンスソフトでMIDI情報を手弾きで録音(というよりはMIDI情報のリアルタイム記録)します。 図ではMIDIチャンネル7を使用していますが、10番以外(GMの制約です)ならば別の番号でもかまいません。

MP3による音のサンプル [150KB]
PART OF KIMIGAYO 1

フルートのパートを4小節分作成したところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]

下の図は、今作成したMIDI情報を編集画面で開いたところを示しています。演奏を間違えても、このような画面で簡単に修正することができます。 これがMIDIの利点です。


MIDI情報を編集画面でみたところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]



【フレンチ・ホルンのトラック作成】
次はホルンです。フルートのときと同じ手順で行います。

MP3による音のサンプル [150KB]
PART OF KIMIGAYO 2

フレンチ・ホルンのパートを追加したところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]



【それ以降のトラック作成】
これまでと同じようにして、”君が代”に含まれるパートを聞き取り、録音してゆくことになりますが、 「この音が何の楽器かわからない」という状況がおこります。 この場合は、音源モジュールの楽器をいろいろ切り替えながら、似ている音色を探るしかありません。

MP3による音のサンプル [150KB]
PART OF KIMIGAYO 3

バスーンのパートを追加したところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]


MP3による音のサンプル [150KB]
PART OF KIMIGAYO 4

スネア・パートを追加したところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]


MP3による音のサンプル [150KB]
PART OF KIMIGAYO 5

ティンパニ・パートを追加したところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]


MP3による音のサンプル [150KB]
PART OF KIMIGAYO 6

トランペット・パートを追加したところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]


MP3による音のサンプル [150KB]
PART OF KIMIGAYO 7

ストリングス・パートを追加したところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]

【パートごとの必要最小限の制御情報作成】
ここまでで数小節分のMIDIデータを作成しましたが、MIDI音源モジュールの音色設定は手動で行ったため、 MIDIデータのなかには音色を設定するための情報が入っていません。
音色を手で設定しながら、MIDIデータを作成した今はMIDI音源モジュールが適切な音色に設定されていますが、 別のMIDIファイルなどを演奏した時点で現在の設定が失われてしまいます。 そこで、作成したMIDIデータの中に音源モジュールを適切な音色に設定するための情報を挿入することになります。 そうすれば、今作ったMIDIデータが演奏される都度、MIDI音源モジュールが適切な音色に設定されることになります。
下の図は、フルートパートの前に設定情報を追加したところを示しています。


音色設定情報(赤の部分)を追加したところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]



この赤い部分の中には、下の図で示した制御情報を書きこみました。一般的にはこの4つが最低限必要な情報です。


最低限必要な音色設定情報 (Cubase VST/24 3.7 Windows)]


【作成し終わったところ】
下の図は、最低限必要な音色設定情報を加え、すべてのパートの作成が終わった状態を示しています。
MP3による音のサンプル [410KB]
PART OF KIMIGAYO 8

全パートを作り終えたところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]




5.5 細かいテンポ情報の作成

ここまでに作成したMIDIデータには細かいテンポ情報は入っておらず、一番最初に設定した50のままで演奏するようになっています。 シーケンスソフトの多くは、演奏情報用のほかにテンポ制御用のトラックを持っていて、 細かいテンポ変更情報はこのテンポトラックを編集することによって設定するようになっています。
テンポ変更情報の設定方法は、シーケンスソフトによって異なりますが、必要な個所に数値を書きこむ方法と、 マウスなどを用いてグラフィカルに編集する方法などがあります。
下の図は、後者の変種画面に細かいテンポ情報を設定した状態を示しています。この情報を付加したものが演奏に関するMIDI情報としては、最終的な姿となります。

MP3による音のサンプル
(冒頭の「1.課題曲」でリンクしてあるファイルと同じ)
SIZE:898KB版(CDクオリティ版)
SIZE:449KB版

編集後のテンポ・トラックの状態 (Cubase VST/24 3.7 Windows)]




5.6 GMオン情報の書き込みなど

「5. MIDIファイルを作りましょう」の最初のほうで、

このページの最終的な目的はMP3を作ることにありますが、MIDIファイル形式で配布する場合のことを考慮して、 GM対応のMIDIファイルを作成する場合の例を”君が代”をサンプルにして解説します。

と書きました。
GM対応のMIDIファイル先頭にはGMオン(MIDI音源モジュールをGMモードに変更する制御情報。GENERAL MIDI SYSYTEM LEVEL 1 ON) を入れておくべきなので、曲の先頭に書きこんでおきます。下の図の黒く表示されている部分です。
なお、図ではGMのほかにもう一つ、制御情報を書きこんでいます。これはリバーブ(エコー)を全体的に深めに設定するための情報ですが、 特定の音源モジュールに対してのみ作用するものです(これについては説明を省略します)。

GMオンとリバーブ設定を追加したところ → 

GMオンとリバーブ設定を追加したところ(黒い部分) (Cubase VST/24 3.7 Windows)]

上段がGMオン、下段がリーバーブ設定 →

黒い部分を別の編集画面で開いたところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]



これでMIDI情報の作成は終了です。ここまで作成したMIDIデータをスタンダードMIDIファイル形式で書き出したのが、冒頭の「1.課題曲」でリンクしてある、 次のファイルです。

某テレビで流れた音を参考にして、耳コピで打ち込んだ”君が代”のMIDIファイル(SMF)
(推奨音源:Roland SC-88VL)



6 MP3ファイルの作成

さてここまで、いつでもあなたの環境で「君が代」の音声を再生できるようになりました。 いよいよ音声のMP3への変換です。
一般には、MP3ファイルの作成はWAV(マックの場合はAIFF)を変換することによって行います。 そこで、ここでは次の二つに分けて概説します。



6.1 MIDIファイルをWAV(AIFF)ファイルに変換する

MIDIファイルにはWAV(AIFF)に変換するのに必要な情報が全く含まれおらず、 加工によってWAVファイルを作ることはできません。
MIDIファイルからWAV(AIFF)ファイルを作るには、 何らかのMIDI音源で鳴らしたものを録音する必要があります。 バーチャルサウンドキャンバスやクイックタイムのソフトウェアシンセサイザー(ソフトMIDI)等では、 MIDIファイルをWAV(AIFF)に変換する機能を持っていますが、 変換というよりは自身のMIDI音源での発音をシミュレートしながらWAV(AIFF)ファイルを生成しています。 そんなことで私個人は「MIDIファイルをWAV(AIFF>ファイルに変換する」という表現には反対なのですが、 ”変換”という表現が一般化しつつあるので、ここではあえて”変換”という表現を使います。

前述したようにバーチャルサウンドキャンバス3.0(以下VSC)などを使用すれば、いともたやすくWAVへの変換が可能です。 ただし、出来上がるWAVファイルはあくまでもVSCで鳴らした音になってしまいます。
このページではMIDI音源モジュールを使用してモニターしながらMIDIファイルを作りました。 まったく同じ音のWAVをつくるには、そのMIDI音源モジュールで演奏した音を録音する以外の方法はありません。

現在、MIDIシーケンスソフトはデジタル録音機能(ハードディスク・レコーディング)を持つのがトレンドになっており、 このページで使用しているCubase VSTシリーズもその例外ではありません。 「4. それではいよいよ課題曲をハードディスク・レコーディングしましょう」で紹介した通りです。
ただ、もうすでに別のPCにデジタル録音する必要はないので、ここではMIDIファイルを作ったのと同じPCに録音することにします。

ここで、機材を次のように繋ぎかえることにします(必要の無くなった機材は除いてあります)。


シーケンスソフトにオーディオトラックを設定し、MIDIトラックを再生しながら、 オーディオトラックにMIDI音源の音を録音していきます。
この方法の利点は録音される、デジタル・オーディオ・データがMIDI情報と同期が取れる点です。 例えば、ある小節部分だけオーディオデータを切り出したい場合に、素早く正確に行うことができます(Cuvase VSTの場合)。


一番下にオーディオトラックを作り、MIDI音源の音を録音したところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]

オーディオ・トラックを編集画面で開いたところ (Cubase VST/24 3.7 Windows)]


ハードディスク・レコーディング機能をもつシーケンスソフトは一般に、 録音したデータを所定のフォルダにWAV(マックの場合はAIFF)ファイルとして書き出すようになっています。
あとはこのWAVファイルをMP3ファイルに変換するだけです。

【関連情報】FAQ : Q.230 「6.1 MIDIファイルをWAV(AIFF)ファイルに変換する」の部分をもう少し具体的に教えて欲しいのですが...


6.2 WAV(AIFF)ファイルをMP3ファイルに変換する

MP3エンコーダーの入手
MP3ファイルを作成するにはエンコード機能をもつソフトウェアが必要となります。 ソフトの種類にはプレーヤ機能のみのもの、プレーヤ機能とエンコード機能を併せ持つもの、 またMP3エンコード機能を持つ波形編集ソフトウェアなどがあります。
ここで必要なのは後ろの2つのうちいずれかです。フリーウェア、シェアウェア、市販ソフトがありますが、 ここでは MusicMatch Jukeboxというソフトを使用した例を示します。 このソフトはhttp://www.mp3.com/のソフトウェア・ライブラリから簡単に入手することができます。


http://www.mp3.com/

エンコーダーソフトによって、変換後の音質、変換に要する時間が変わってきくるので、なるべく著名なものを入手するのが良いでしょう。



WAV(AIFF)ファイルをMP3ファイルへエンコード
MusicMatch Jukebox Ver.4の場合、エンコード機能はオプションの中にあります。


MusicMatch Jukebox Ver.4

ここでは変換元となるWAVファイルと、変換したMP3ファイルを書き出す先を指定し、"START"ボタンを押すことで簡単にMP3ファイルを作成することができます。


MusicMatch Jukebox Ver.4

ここで、上の図の赤い四角で囲んだ部分に注目して下さい。この例では128kbpsとなっていますが、 これは変換した音の音質をネット上の転送レートで示したもので、値を大きくするほど音質の劣化を避けることができますが、 ファイルの圧縮率は当然低く(サイズが大きく)なります。



圧縮率の設定について
圧縮の度合いをkbpsで示すMusicMatch Jukeboxの場合は、128kbps,96kbps,64kbps,32kbps等の圧縮率が用意されています。 ソフトウェアによっては、変換を保証(?)する周波数の上限で示すものもあるようですが、おおむねどのエンコーダーでも、 圧縮率を指定することができるようです。

一般に「CDクオリティ」という表現ができそうなのは128kbpsの場合のようです。 このページでは二通りの圧縮率の「君が代」を掲載しているので、今一度オリジナルのwavファイルとのサイズ比較を載せておきます。

ファイル サイズ 備考
WAV (44.1kHz 16bit stereo) 10M 非圧縮
MP3 (128kbps) 898KB CDクオリティ版MP3
MP3 (064kbps) 449KB ある程度許せるレベルまで圧縮
MIDIファイル 017KB これはオーディオファイルではないので、
上のファイルとは比較できませんが...
ここでどの圧縮率を選択すべきか、が問題となります。私が試した限りでは128kbpsならば、ほぼどんながwavファイルでもきれいにMP3ファイルに変換することができるようです。 ただしこの場合は、1/10程度のまでしか圧縮することができません。 ところが64kbpsの場合は、wavファイルによって、劣化するものとそうでないものがあるようです。
圧縮率を選択は実際にいろいろな値を試してみて決めるのが良い
と思います。



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